プリンターをお使いの皆さん、印刷コストを抑えるために互換インクを活用している方も多いのではないでしょうか。しかし、いざインクが切れたときに困るのが「使い終わったカートリッジの処分」ですよね。郵便局や家電量販店で見かける回収ボックスに入れていいのか、それとも自治体の燃えるゴミとして出してしまって良いのか、迷ってしまうことも少なくありません。
特にエプソンやキヤノンといった有名メーカーの純正品と違い、互換インクカートリッジの捨て方や回収方法に関しては情報が曖昧なことも多いものです。そこで今回は、未使用のインクから使い切ったものまで、正しい処分の手順をわかりやすく解説します。
記事のポイント
- 純正品専用の回収ボックスに互換インクを入れてはいけない明確な理由
- 家電量販店や通販サイトで行われている回収サービスの活用方法
- 自治体のゴミ収集に出す際の分別ルールと絶対に行うべき液漏れ対策
- 未使用のインクカートリッジを無駄にせず買取や返品で処分する知恵
互換インクカートリッジの正しい捨て方と回収の基本

まず押さえておきたいのは、互換インクは純正品と全く同じように捨ててはいけないケースがあるということです。リサイクルの仕組みが異なるため、良かれと思って行った行動がかえって迷惑になってしまうこともあります。ここでは、回収ボックスの利用可否や、販売店ごとの対応について基本的なルールを解説します。
里帰りプロジェクトの回収ボックスは使用不可
郵便局や役所、多くの家電量販店の入り口などで見かける緑色の回収箱、「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」。これに入れておけばリサイクルされるから安心だと思われがちですが、実は互換インクカートリッジをここに入れるのはNGです。
このプロジェクトは、ブラザー、キヤノン、エプソン、日本HPのプリンターメーカー4社が共同で運営しており、回収対象はこれら4社の「純正カートリッジのみ」に限定されています。
純正品の回収箱に互換インクが混ざると、リサイクル工場での選別作業に多大な手間がかかり、リサイクルシステム全体の負担になってしまいます。環境のためを思った行動が逆効果にならないよう、指定外のものは入れないようにしましょう。
ヤマダ電機など家電量販店での引き取り対応
では、家電量販店では一切引き取ってもらえないのかというと、必ずしもそうではありません。店舗によっては、純正・互換を問わずインクカートリッジの回収を行っている場合があります。
例えば、ヤマダ電機やケーズデンキ、ビックカメラなどの大手量販店では、店舗内に回収ボックスを設置していますが、その多くは前述の「里帰りプロジェクト(純正のみ)」のものです。しかし、ノジマなどの一部チェーンや特定の店舗では、独自のリサイクルルートを持っており、互換インクの回収を受け付けているケースもあります。
店舗によって運用ルールが頻繁に変わるため、持ち込む前にサービスカウンターのスタッフへ「この互換インクは回収してもらえますか?」と一言確認するのが確実です。
通販サイトや販売店の無料回収を利用する
私が最もおすすめしたいのが、購入したお店の回収サービスを利用することです。特にネット通販で互換インクを販売している専門店の多くは、環境への配慮として独自の回収システムを設けています。
例えば、「インク革命.COM」などの大手互換インク通販サイトでは、使用済みカートリッジを回収するための専用封筒を用意していたり、一定数以上まとまれば着払いで送れたりするサービスを提供しています。また、オフィス用品通販の「アスクル」などでも、販売したトナーやインクの回収を行っています。
自分が購入したサイトの「よくある質問」や「リサイクルについて」のページをチェックしてみてください。「販売元に返す」のが、最も確実で環境に優しいルートです。
郵便局や自治体施設への持ち込みは避ける
郵便局や公民館、図書館などの自治体施設に設置されている回収箱は、ほぼ例外なく「里帰りプロジェクト」のボックスです。そのため、ここには互換インクを持ち込まないのが鉄則です。
「プラスチックだし、リサイクル資源として一緒だろう」と安易に入れてしまうと、前述の通り選別の手間を増やすことになります。これらの施設には、純正品を捨てる時だけ立ち寄るようにしましょう。
未使用のインクは廃棄せずに買取を依頼
プリンターが壊れて買い替えたため、予備で買っておいた互換インクが大量に余ってしまった……という経験、私にもあります。新品未開封のインクをただ捨ててしまうのは、あまりにも勿体無いですよね。
そんな時は、トナー・インク専門の買取サービスを検討してみてください。「エコプライス」などの業者は、使用期限内であれば互換インクでも買い取ってくれる場合があります(ただし、純正品に比べると買取対応店は限られます)。
買取業者で値段がつかない場合でも、メルカリやヤフオクなどのフリマアプリなら、「送料込み◯◯円」で出品すれば、同じ機種を使っているユーザーに喜んで買ってもらえることがよくあります。捨てる前に一度出品してみる価値はありますよ。
自治体のごみ収集での互換インクカートリッジの捨て方

販売店での回収が難しかったり、近くに回収してくれる店舗がない場合は、お住まいの自治体のゴミ収集に出すことになります。「インクってゴミに出していいの?」と不安になる方もいるかもしれませんが、基本的には家庭ごみとして処分が可能です。ただし、出し方には地域ごとのルールがあります。
何ごみに分類されるかは自治体ルールによる
インクカートリッジは主にプラスチック部品と内部のスポンジ、微量の金属で構成されています。そのため、自治体によって「可燃ごみ(燃やすごみ)」になる場合と、「不燃ごみ(燃やさないごみ)」になる場合、あるいは「資源ごみ(プラスチック)」として扱われる場合に分かれます。
私の住んでいる地域でも数年前に分別区分が変わったことがありました。必ず最新のルールを確認する必要があります。
燃えるゴミに出せる地域と出せない地域
最近の焼却炉は高温処理が可能になっているため、多くの自治体で硬質プラスチックも「燃えるゴミ」として出せるようになっています。東京都内の多くの区や市でも、インクカートリッジは可燃ごみとして扱われています。
一方で、リサイクルを推進している地域や焼却炉の性能によっては、依然として「不燃ごみ」や「金属・陶器・ガラスごみ」の区分になることもあります。「プラスチックだから燃えるはず」という自己判断は避け、地域のルールに従ってください。
インク漏れしないよう袋に入れて密閉する
ゴミとして出す際に最も気をつけたいのが「インク漏れ」です。カートリッジの中にインクが残っていると、収集車の中で圧縮された際に飛び散り、収集員の方や近隣の道路を汚してしまう恐れがあります。
これを防ぐために、以下の手順で捨てるのがマナーです。
- インクの出口(吐き出し口)にセロハンテープやガムテープを貼って塞ぐ。
- 新聞紙や不要な布、ティッシュペーパーなどでカートリッジを包む。
- ビニール袋やポリ袋に入れて口をしっかり縛り、二重にする。
ここまでやれば安心です。特に黒インクは服につくと落ちにくいので、収集作業をする方への配慮を忘れないようにしましょう。
分別区分が不明な場合は役所へ問い合わせる
自治体の配布するゴミ分別表に「インクカートリッジ」という項目がない場合や、WEBサイトを見てもよく分からない場合は、迷わず役所の清掃担当部署に電話で問い合わせましょう。
「プリンターのインクカートリッジ(互換品)を捨てたいのですが、何ゴミになりますか?」と聞けば、即座に教えてくれます。一度聞いておけば、次回からは迷わずに済みます。
安全な互換インクカートリッジの捨て方まとめ
ここまで、互換インクカートリッジの適切な処分方法について解説してきました。
最後に、重要なポイントを改めて整理しておきましょう。互換インクはコストパフォーマンスに優れ、私たちの生活を助けてくれる便利なアイテムですが、その「安さ」の裏側で、処分時の手間を惜しんでしまうと、環境やリサイクルシステムに負担をかけてしまう可能性があります。
最も大切なルールは、「純正品専用の回収ボックス(里帰りプロジェクト)には絶対に入れない」ということです。これは、リサイクルの循環を止めないための最低限のマナーと言えます。ついつい「同じような形だからいいだろう」と思ってしまいがちですが、そこはグッと堪えて分別しましょう。
処分方法に迷った際は、以下の3ステップで判断するのが最もスムーズです。
- まず、購入したお店(Webサイトや店舗)が回収を行っているか確認する。 (これが最も環境負荷が低く、理想的なルートです)
- 次に、近くの家電量販店(ノジマなど)で互換品の回収が可能か聞いてみる。 (買い物ついでに捨てられるので便利です)
- 上記が難しければ、自治体のルールに従ってゴミとして出す。 (無理に回収場所を探し回るより、適切な分別処分の方が確実な場合もあります)
そして、ゴミとして出す場合に忘れてはいけないのが、「徹底した液漏れ防止対策」です。収集車の中でインクが飛び散る事故を防ぐため、排出口を塞ぎ、袋を二重にするひと手間を惜しまないでください。あなたのその小さな配慮が、街の美化と収集作業員の安全を守ることにつながります。

